伊藤伝右衛門邸

Architecture

NHK連続テレビ小説「花子とアン」の舞台になっている飯塚の「伊藤伝右衛門邸」。ドラマを見ていることもあって、いつものようにモヤモヤと行きたい衝動が湧いてきて行ってきた。

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ドラマの放送以来、観光客がどっと押し寄せているようで、この日も2組のツアー客を中心に多くの人で賑わっていた。案内によると、建物は伝右衛門の妻になる白蓮が嫁いだ際に大幅な増改築が施され現在の姿になったとのこと。築年代は明治から大正初期の建物になる。

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伊藤伝右衛門は父と手がけた石炭の事業で大当たりした石炭王。一代で財を築いた成金よろしくわざわざ京都から宮大工を呼び寄せて、おそらく金にいとめを付けずつくらせたのだろう。今でこそ、歴史的文脈に沿った趣味の良い建物として見ることができるが、その当時は、自己顕示欲に満ちあふれた成金趣味全開の悪趣味な豪邸だったに違いない。

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しかし、何時の時代も、そんな成金の奇行にも似た感覚とが混ざり合いながら文化が継承されてきたことは否定できない。時代を経て、パトロンが公家や戦国大名などから石炭王に変わっただけのはなし。現在の成金はどうかと云うと、伝統文化の継承はには余り興味がなく、自己顕示欲と奇行は相変わらずといった感じか。いずれにしても、悪趣味なのに変わりはないが、独創性(オリジナリティ)の母は何時の時代も悪趣味なのだ(笑)。

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古い建物を見ていて気になるのは細部。建具のレールが木製だったり、カーテンレールのつくりだったり、真鍮製の取手だったり、錯覚を狙った天井の貼り方などなど。今と比べて当時は使えるマテリアルが少なかったため、職人さんの創意工夫がそのまま意匠となっている。使える材料が少ない = 豊かな表現の源になる。「見立てる」行為はエコなんだなと感じる。ともあれ、充分楽しめる建物であることは間違いなく、ドラマが終わって落ち着いたくらいにあらためて、こぴっと行ってみようかなと(笑)。

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人が集まるところに饅頭有り(笑)。


旧伊藤伝右衛門邸

開館:AM9:00 – PM5:00
休館:水曜日(祝日の場合は開館)
住所:福岡県飯塚市幸袋300番地