菅公歴史館

Art

菅公歴史館は菅原道真公の生涯を綴ったジオラマや全国から集められた天神人形の展示がみられる施設。大宰府に住むようになって5年ほど経つが、一度も訪れることがなかった。施設は太宰府天満宮の敷地内、本殿の真裏にある和様式の鉄筋コンクリートの建物。崇敬者会館と併設され、地下のワンフロアがそのスペースとなっている。ピエール・ユイグのエキジビジョンを見ることが出来ず、境内をぶらぶらしていたら「そういえば入ったことなかったな」くらいの暇つぶし感覚で入ったのだが、意外とそこそこ楽しめた。


ひなびた観光施設の空気感漂うアプローチ。建物のレトロ感も手伝って、見世物小屋の雰囲気を醸し出している。じわじわと湧いてくる期待感。料金所では年増の巫女さんと常連?のおばさんが世間話をしている。これもナイスなシチュエーション(笑)。


入場料は大人で200円。支払いを済ませ進むと、すぐに地下へ続く階段がある。蛍光管の照明にあやしく光るショーケース、高級と陳腐の境界を綱渡りするインテリア、そして地下空間へ誘う事務的な案内板。その体裁からは秘宝館にも似たわくわくを感じてしまう(笑)。


入り口にはお約束の御神牛と神妙な面持ちの道真公の肖像。


道真公の生涯を綴った16の場面が装着博多人形によって再現されている。博多人形に衣装を着せた「装着博多人形」は現在ではあまりつくられていないらしい。


懐かしさを感じる展示方法が斬新にみえしまう場内。ぐっときます。


ところどころにあるピンク(むらさき?)の照明が意味ありげな艶めかしさを出してしまっている(笑)。


ブースひとつひとつが丁寧につくられていて、道真公の生涯に興味がない人も十分楽しめる展示。


中世の太宰府のまちを再現したジオラマ。京都でも見られる碁盤の目の都市計画がミニマルで今みてもかっこいい。


展示は二部構成になっていて、生涯を辿ったあとにあるのは全国から集められた無数の天神人形群。


両袖が跳ね返った表現が様式化している。


蛭子さん風な天神様。


郷土人形のルーツは神社や寺院の門前で売られていた土産物がルーツらしく、京都伏見稲荷に参拝に来た人が京都深草でつくった土人形を土産物として買って帰ったそのがその始まりとのこと。


江戸時代になると各地でつくられるようになる。そのなかで多くつくられたのが天神人形だそうだ。

太宰府天満宮では九州国立博物館や宝物殿でのアートプログラムなどで、趣向を凝らした展示を見ることができる。博物館は解説も丁寧で見やすく工夫もしてあり親切、アートプログラムでの世界的に活躍するアーティストの作品は刺激的だ。けども、どこかで借りてきたものを見せられている違和感がないかといえば嘘になる。今日見た歴史館はひとむかし前の展示空間ではあるが、土着性と哀愁のある匂ってきそうな俗っぽい日本的空間だ。そこにはおかんアートの系譜の源流にあるクールな日本が残ってる。


菅公歴史館(かんこうれきしかん)

住所:太宰府市宰府4-7-1 太宰府天満宮境内
開館:AM9:00 – PM4:30(入場はPM4:00まで)
休館:火曜日 水曜日